投稿日時 2025-05-07 00:28:40 投稿者 ![]() 石野颯希 このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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塔に足を踏み入れた瞬間、鋭く差し込む光に視界が白く染まり、 思わず目を細める。 築半世紀以上は経っているのだろう。 壁や床の石材は深くひび割れ、苔が静かに浸食を進めている。 その隙間からは、まるで石を押しのけるようにして草木が芽吹いていた。 円形のホール中央には、巨大な苔テラリウムを思わせる異形のオブジェが鎮座し、 そこから頭上に浮かぶ、ガラス質の透明な球体へ向けて、 緑色の稲妻――あるいは電磁的なエネルギーの奔流――が絶え間なく流れ込んでいる。 やがて球体から天へと立ち昇る、一本の光の柱が、天空を貫いていた。 |
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